独立してフリーランスとして歩み始めると、これまでは会社が代行してくれていた事務作業をすべて自分一人でこなさなければならない。その中でも特に重要なのが、一年の収支をまとめて税務署に報告する確定申告だ。日々の経費精算や売上の計上を怠ると年度末に膨大な時間を費やすことになり、本業に支障をきたす恐れがある。早い段階で会計ソフトを導入し、帳簿づけの習慣を身につけることが健全な経営を続ける第一歩となるだろう。税務の知識を深めることは、節税意識の向上だけでなく自身の事業の収益性を客観的に把握することにもつながる。
また、システムエンジニアとして独立する場合、自分一人の責任で業務を遂行するため、予期せぬトラブルへの対策も欠かせない。万が一、開発したシステムに重大な欠陥が見つかったり、作業中のミスで顧客に損害を与えたりした場合に備え、損害賠償保険への加入を検討することは非常に重要だ。個人では負いきれない多額の賠償責任が発生するリスクはゼロではないため、自身の身を守る盾を持っておくことはプロフェッショナルとしての最低限のマナーとも言える。リスク管理を徹底している姿勢は、取引先からの信頼にも寄与するだろう。
新規の案件を獲得し続けるためには、自身の技術力や実績を魅力的に伝えるポートフォリオを常に最新の状態に更新しておく必要がある。会社員時代とは異なり、独立後はプロジェクトが終わるたびに自身の市場価値をプレゼンテーションする機会が訪れるからだ。具体的にどのような役割でどのような成果を出したのかを詳細に記述し、いつでも提示できるように準備しておくことが、条件の良い案件を勝ち取る鍵となる。